好きなものだけ見ていたい

拗らせやすいタイプ

10ks!

過去をすべて受け入れて、且つそれを余すことなく未来への原動力に変えているのが、KAT-TUNKAT-TUNたる所以なんだろうなあと思う。

 

10ks!で私が見た景色は、そんなKAT-TUNの今だった。

 

2016.5.1

KAT-TUNのコンサートに行った。

 

これだけ言ったら、あっそうなんだ~って感じだよね。いや実際これ以上でも以下でもないんだけど、でも私にとっては、あまりにも大きすぎる存在になった。

 

KAT-TUNにはここ1年くらいの間にハマったから、ほんとにわずかしか知らない。今回のツアーが初めてのKAT-TUNコンサートだった。

でも、4/29も行ってて、その前に名古屋も行ってるから、セトリわかるし、演出もだいたい把握したし、だから絶対楽しくなるのもわかってたから、もう全力で楽しもう、と。いっぱい声出して、笑って、叫んで、楽しくて幸せな気持ちになって帰ろうと。泣いたりしないぞと。そう思っていたわけ。

でも開演が近づくにつれ手が震えてきて、胃も痛いし、蕁麻疹出るし、もう笑うしかなかった。緊張しすぎか。「KAT-TUNは天井が神席」って聞いてたから、それを見られる楽しみもあってのことだと思う。武者震いってやつ。そういうことにしといてください。

KAT-TUNコールが始まった。ああ、もうすぐだ。2階席3塁側で手拍子しながら、円陣の声が聞こえた。震えた。泣きそうだった。泣くにしても早すぎだろって心の中でセルフツッコミして、堪えた。KAT-TUNコールがより一層大きくなった。

暗転、KAT-TUNからのメッセージ、映像、少しずつボルテージが上がる。

そして、超絶かっこいい海賊風衣装に身を包み、船(のセット)に乗って、超絶かっこよく登場するKAT-TUN。ファンの熱気が会場を揺らす。凄かった。その熱量が、ひとつの生き物みたいだった。

私がちゃんと知ってるKAT-TUNって本当にわずかだし、GOLDという曲に思い出はまだないけど、それでもこんなに心揺さぶられるのかって、1曲目から目から汗が止まらなかった。

 

そして私は、KAT-TUNコンで「天井が神席」と言われる真髄を体験した。

率直な感想、「なんだこれ、勝てない」

1階スタンドでも十分「すごい…!」って唸ってたのに、そこから導き出された予想をはるかに上回る凄さだった。一度見たはずのものが、また別のものに見えるくらいだった。

一度焼き付いたら離れない映像演出、これでもかと様々な角度、幅で照射されるレーザー光、時に強く、時に優しく舞い踊る水、激しく吹き出る炎、ステージに刹那の輝きを与える特効・・・そしてそれらを操り、最高で最強を生み出すKAT-TUN

向かうところ敵なしって感じ。すげー強そう。てか強い。あ、こりゃ勝てないわって瞬時に思った。なんていうのかな、本能的に悟ったというか。野生の勘?はい、完敗お手上げ・・・なのに、次々繰り出されるかっこいい楽曲とそれを最高に輝かせる演出と力のこもった歌声。ちょっと休ませて・・・って思っても決して手を緩めない。やばい。攻撃力100って自分たちで言うだけあるわ。強すぎるわ。

演出でわりと沸くタイプなので、もうほんとに鳥肌ものだった。

そしてUNLOCKが凄すぎて、生まれて初めて特効等々の演出で泣かされた。

 

挨拶で中丸くんが「(充電期間に入ることについて)最初は納得できなかったけど徐徐に気持ち整理していって、今は納得してる」って言ってたんです。あ、これ本音だなって。たぶん、ここまで言うつもりはなかったんだろうなと思う。なんとなく。挨拶のときの中丸くん、俯き気味だし口もちょっともごもごしてて、体も小さく揺れてるし、ちょっと早口で、これもう泣いてるのでは、って思うくらい、泣きそうだったから。

だから、いつも冷静で緻密に計算して完璧にやり遂げる中丸くんのそんな姿を見たことなかったから、こっちもこらえきれなくてだばだば泣いて、泣いて、泣きたいわけじゃないのに、勝手に出てくるから、いやまあほんとは上田くんの挨拶の時点で決壊してたけど。

亀梨くんがメンバーの名前をひとりずつ挙げたとき、心臓が跳ねた。私がKAT-TUNで好きだった人の名前ももちろんあった。KAT-TUNのコンサートで彼の踊る姿を見るという夢は、永遠に叶わないものになってしまったけれど、でも確かにかつてそこに存在していたことを示してくれて、嬉しくて、また泣いた。

 

亀梨くんの挨拶が終わって、中丸くんと上田くんが泣きながら抱き合って、それを見た亀梨くんも加わって、3人で抱き合って、3人で同じ方向から階段のぼって、また固く抱き合って。この瞬間だけは彼らのためだけの時間が流れてた。

こんなにも、流れる時間が愛おしくて、でもちょっと切なくて、時が止まればいいのにと思ったのは初めてだった。

「ファンの人には笑顔でいてほしい」って言った上田くんが、アンコールで開口一番「笑えーーーーー!!!」って叫んでて、アイドルから、笑うこと強要されるの初めて!!って思って、なんか可笑しくて、すごく幸せだった。グレジャの最後に「頑張ってるぞ、天の声―――!!!」って、上田くんがまた叫んで、上田くんの中でまだタメ旅ちゃんと生きてるんだって思って嬉しくて、タメ旅大好きでタメ旅きっかけでKAT-TUN好きになった私は本当に嬉しかった。

トリプルのあとの1曲を決めるとき、「ファンにお尻を向けるのが一番やっちゃいけないって教わった」と笑いながら背を向けて相談する亀梨くん、「俺たちを困らせるなよ」っていいながら嬉しそうな上田くん、「コンサートって結構緻密に作られてるからね」「関係者とつないで」とどこまでも真剣な眼差しの中丸くん。かっこいいなあ。どこまでもかっこいい。

最後の最後まで、KAT-TUNKAT-TUNで、その熱さを真っ向から受けて尚、さらに熱い思いを声にしてKAT-TUNに返すファンとで作る会場は、とにかく熱かった。高揚して、心臓はずっと早く鼓動していて、脳は痺れて、ただただ圧倒された。これがひとつの時代を作ったんだなあなんて、急に俯瞰的に見たりもした。冷静だけど感傷的って、相対するものが共存していて、自分がこの場にいるのが不思議で、ずっとふわふわしていた。

 

終わったあと、何も考えられなくて、ただ頭が真っ白で、燃え尽きたとか虚無感に襲われているとか言ってた。

次の日もその次の日も、コンサートで見た風景と肌で感じた熱気がずっと頭から離れなくて、これがロスってやつなのかなって思ってた。

何度も何度もコンサートを思い返して、色んな方のブログを見てて、ふと気づいた。

ロスじゃない。あの一度のコンサートで、たくさんのものを与えられすぎて、飽和してるんだ、って。

こんな幸せなことあるかな?こんなに与えられて、いいのかな、って逆に不安になるくらいたくさんもらってしまった。この船には宝物がたくさんある。私が見たのはきっとその一部だ。そう気付いたとき、今ある宝物を、もっと見てみたくなった。その宝物は、時の流れで考えると「過去」だけど、私がまだ知らない「未来」でもある。それがこんなすぐ近くにあるのに、見ないわけにはいかないでしょう。

 

そして再び船が動くときは、迷わず飛び乗ろう。そしてまた、負けた!とうならせてほしい。負けるのは好きじゃないけど、KAT-TUNにひれ伏すなら、悪くないなあと思う。なんか急に偉そうな物言いになってしまったけど。笑

この大きな船が、さらに大きく強くなって大海原へと漕ぎ出すその日を、今は楽しみに待ちたいと思う。

 

 

最後に。

KAT-TUNデビュー10周年、おめでとう。